「うん、そっか。じゃあ、ゆっくり待ってよっか。」




それから二人は沈黙。
でも、全然嫌じゃなかった。
黙ってても、変な空気にはならなかった。

不思議。
こんな感覚一度も味わったことがない。

小さな幸せが、私の中にじんわりと広がる。

広がって、満たされる。
気づけば、さっきの気分の悪さが薄れていった。

ふと、足下に目がいった。

小さく、でも強く、1輪でも慎ましく生きる1つの命があった。

綿毛となって、風の中を飛び、道端でも凛と咲くたんぽぽがそこにはあった。

花言葉は確か.......