4月。
春の遠足がスタートした。

今年は皆で大きな公園散策、ということで、メンバーは私、秋山君、桜ちゃん、歩斗君の4人だ。


公園とは名ばかりで、普通に思い浮かべるのとは全く違っていて。

東京ドーム1個分はありそうなほどの広い敷地面積に、四季を感じられる庭園が随所に。公園内には出店もあって人が多くいる。

何でもここは、有名な公園だそうだ。
といっても、やっぱり公園で緑豊かな、心安らぐ場所だった。

「はぁ~っ!楽しいね!わくわく!」
「桜、少し落ち着けって、つか、こんだけ歩いて良くそんな元気でいられるな。」

開始30分早くもバテ気味の3人と違って、軽い足取りで前を歩く桜ちゃん。

「えー、何で皆そんなに落ちてるの~!ほら、行くよ行くよ~!」
「は?!ちょ、待てよ桜!何で走る必要が?!」

元気だなー、桜ちゃん。
それについていく歩斗君も歩斗君だけど。

一方私の方はと言うと、かなりバテてる。
最近まともに運動してなかったからなー。

足が止まりかけてきた。
そんな私に、

「どうしたの?葉崎さん。キツい?」

気づいてくれた秋山君は、私の顔を覗き込んできた。

うっ.......。
近い。

「大丈夫。」そう言おうとしたけれど、急に目の前まで来た秀麗な顔のせいで、何も言えなくなってしまった。

そのそいで、余計に秋山君心配をかけてしまったらしく。

「大丈夫?ちょっとベンチで休もうか。.......って、あいつら何処行った?」

座ろうと言ってくれた。

ていうか、え?いないの?二人。

私も秋山君と一緒に辺りを見回してみるけど、いない。

何処にもいない。

え?うそ。はぐれた?!

「あいつらっ.......。はぁ。とりあえず座ろうか、葉崎さん。」
「う、うん。」

探すのを諦めて、二人で、近くにあったベンチに座る。

と、同時に秋山君に電話がかかってきた。

「あ、 もしもし?歩斗?お前何処に行ったんだよ。.......うん。.......うん。はあ?そんなとこまで?何で走るんだよ.......。俺らはこっちにいるから。来いよ、なるべく早くな。」

かなりの呆れ顔で電話を切ると、秋山君は更に呆れた顔で私に「もう少し待たなきゃいけないかも。ごめんね。」
と告げた。

「ううん!全然。むしろ休めるから良いかも。なんて。」