「あ、待って、葉崎さん。この二人の紹介させて。」

って、君が私を引き留めるから、この場から逃げる術が無くなってしまった。
でも、秋山君ともっと話せるのは嬉しいから、引き返す。

それを確認して、秋山君がどこか少し嬉しそうに、二人を紹介し始めた。

「こっちの男が、須賀歩斗(すがあゆと)。野球部に入ってる。で、こっちが白井桜(しらいさくら)。二人とも、俺の幼馴染み。」

幼馴染み.......。
だからか。あんなにも3人を包む空気が柔らかかったのは。

私はこの瞬間、どれだけ時間を費やしても、一生3人のような仲にはなれないんだと感じた。