それから、お父さんを私は泣きながら怒り続けた。

どうして、母を止めなかったのかと。
どうして、母と別れたのかと。

幼い私は何も分からず、ただ父を怒り続けた。

そんな私に父は、


「ごめん、ごめんな。加那。」


とても辛そうだった。

だから私はそれ以上何も言えなかったし、聞かなかった。

今でも母がいなくなった理由は知らない。
でもきっと、どちらかの浮気か何かだろう。