もしかしたら、彼も私と同じことを思って居たのかもしれない。

『彼女も独りなのかな』

と.......。

「うん、あそこが私の席。ここには良く来るの?」

このまま会話もなく突っ立っているのも嫌なので、当たり障りのない質問をしてみた。

「まあ、時々。本読むの、好きだから。」
「そうなんだ、私も好き。最近は推理小説にはまってる。」
「へえー、俺はノンフィクションかな。現実味ある方が面白い。」
「私と逆だね。」
「ははっ。確かに。」

それから、秋山君とはいろんな事を話した。


時間っていうのは、誰かといるとこんなにも早く過ぎるものなんだと、この時初めて気付いた―。