ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

なんだこの音は?
そう思い俺は空を見上げる

あれ?空から聞こえたと思ったのに特に変わった事はない…
歳かなぁ….幻聴が聞こえたみたいだ。

とりあえず早く家に帰りたいし走るかな。






20xx年5月25日午後6時21分
ここS県S市神伐(シンバツ)町で、この日、同時刻に不思議な音を聞いた者が8人居た。

その8人の内の1人、二丈クチア(ニジョウ)は男性で22歳の青年だ。
クチアは今は一人暮らしをしていて、その不思議な音を聞いたのはバイトからの帰宅時だった。



「ハア…ハア…」
くっそ!いい歳して走るもんじゃねーな…こんなに俺体力無かったか?

時期は6月になろうとしている。
もう夏に向け太陽が主張を始めてる時期に走ったもんだから汗だくだくになってしまった。

俺は今アパートに一人暮らしをしている。
アパートと言っても防犯や耐震等の対策はバッチリだ!
つっても防犯言うても2重ロックの玄関とかそー言う軽い?って言うとアレだがまあその程度のアレさ。

アパートは2階迄有り階段を登って端っこの部屋は俺の部屋なのだ。

カンカンカン

階段を上る俺の足音が響く
この時間階段を上るなんて俺ぐらいしか居ない
なので他の住人に俺が帰宅した事がわかっても不思議な事はない訳で…


ガチャ

1階の部屋の扉が開く音がした。
と同時に

「クチアー」

と女性の声で俺を呼ぶ声がした


「ルリねぇーただいま」

「ルリねぇじゃない!大家と呼べー!」

「はいはい…大家さん今日は何のご用で?」

「何のご用で?…じゃないよ!家賃だよ や・ち・ん!」

「給料日明後日なの知ってて言うんだもんな〜イジワルー」

「私のどこが意地悪だよ!こんなに若くて綺麗な大家さんだゾ☆それだけでこのアパートは恵まれてるだろ」


そー言うの自分で言うかねぇ…
まあ、確かにルリねぇはまだ24だし…美人な方だけどさぁ…


「とりあえず給料日まで待ってくださいよ」

「分かったーまた明日なー」

そう言いドアの閉まる音が聞こえた。

まったく…信用されてないのかなぁ…毎月給料日の3日前から催促してくるんだよなぁ
また明日って事はつまりそー言う事なんだよね…

と思いながら俺は自分の部屋の玄関の鍵を開け中に入る。

アパートと言っても割と広い部屋なのだ。
入り口すぐの扉はトイレ。
トイレを通り過ぎるとダイニングキッチン(8畳)
更には布団などを収納する押し入れもあるし、クローゼットもあるし
なんと、あと2つ程部屋(各6畳)があるのだ!

何故こんなに広いのかと言うと元々2階は6部屋分のスペースが有ったのだが、不況によるものなのか人が全然入らず3部屋分に改築したらしーのだ。

まあ、その分他のアパートに比べ家賃は高いが部屋の広さを考えると安い部類だ。
なので、ここのアパートは競争率が高かったが…なんとか入れたって感じだ。
まあ、ルリねぇと元々知り合いだったってのが1番の理由だけどね。


「とりあえず風呂だ風呂ー」

…と、これが俺の何気ない日常なのだ。