「そのへんにしといたら、どうですか」

「誰だよ…!!!…あ、ダイスケくん…」

「先輩、言いたいことあるなら1人で言いに

来たらどうです?」

「そのっ…ごめんなさいっ…行こう…みん

な」

ダイスケは、先輩にも後輩にも顔が広くて

かっこいいんだ

ピアスなんか開けたりしてるけど成績が優

秀だから先生も目を瞑っている

「ごめん…戻ってきてくれたんだ」

「ん、なんか声聞こえたし」

「ありがと、ダイスケ、いつも助けてくれ

るよね」

「別に…俺、お前のことが好きなんだと思う

わ」

「え。」

「わり、困るよな。さっき聞こえたん

だ、恋してるかって」

「あれは、先輩が…」

「好きなの?TAKIってやつ」

「そんなの、好きだよー!好きなアーティ

ストだし!」

「恋してる?」

生真面目な顔されて聞かれた

ライブのことを思い出した

今でも胸がドキドキする

これってきっと…

「……してんのかも、相手35歳だし

しかも叶わないよ。届かないよ」

「ほんとにそうか?」

「そうよ…」