きっと、せっちゃんの正体が、悪霊と契約したイービルだと、信じられないんだ。


共通点は見当たらないし、プールでせっちゃんと会った時だってイービルの凄まじい迫力は感じなかった。


殺意を押さえ込んでいただけ、なのだろうか。



「琉美ちゃんが危険人物を待っているとわかった今、琉美ちゃんを放ってはおけないな」



江藤先輩が腕を組んで、鋭い眼光で私を刺す。


シエルを思い出すその過保護さが、なんだか懐かしかった。



「もちろん、一人でせっちゃんと会おうとは思ってなかったよ?せっちゃんが来る前に仲間が来たら、付き添ってもらう予定だったの」


「仲間より六沢が先に来てたら、どうしたんだ?」


「仲間が来るまで待つつもりだったよ」



私の嘘偽りのない態度に、江藤先輩は強ばった表情を和らげた。


話し合いの途中でせっちゃんと闘うことになった時、私一人じゃ太刀打ちできない。


だから、最低でも仲間を一人頼ろうって決めていた。



「るーみ!」


「わわっ」



背後から私にダイブしてきたのは、テンションが高い佳那。



「おっはよーん」


「お、おはよう、佳那」