皆がみんな、仲間を大事に思っていて。


向かい合った気持ちは、時にすれ違い、時に結びつく。



「でもこのままじゃ、私は皆に守られてばかりで、私が皆を守れない。そんなのやだよ」



守られてばかりのお姫様には、なりたくない。


いつも守ってくれている皆を守れる壁になりたくて、皆に黙ってイービルに会いに行ったんだ。



「あの、どうしてそこまで、守られることを嫌がるんですか?」



利一くんが首を傾げて問いかけた。



「私、前までずっと周りに頼りきりな生活をしてたんだ。だから、今度は頼られる存在になりたいの」



頼りっぱなしな日常が、だんだんと重荷になっていった。


同情と思いやりと余計な不安を、周りに植え付けて。


自分だけ、楽しているようだった。


特別扱いされているはずなのに、いつしか疎外感を感じるようになった。



もうあんな生活を送りたくない。


過去を上書きするように、誰かを支えられる日々を過ごしたい。



「なあ、琉美ちゃん」