利一くんのせいじゃないよ。


これは、紛れもなく私のせい。



「私が何もできなかったから、こんなことになっちゃったんだ」



護身用の竹刀も簡単に奪われて、能力を発動することもできないくらい焦って。


今の私は、でくのぼうも同然だ。



「皆、ごめんね」



迷惑をかけるつもりはなかった。


自分自身を非難したら、気が滅入っていった。



「なんで、一人で行ったんだよ」


「皆を傷つけたくなくて……」



怜司くんの苛立ちを這わせた声に、視線を落としながら返事する。


私が一人で行かなかったら、皆がどうなるかわからなかった。


皆を失いたくなかったの。



「そんなの俺も……俺達もだよ。仲間を傷つけたくない思いは、同じだ」



江藤先輩に憂いながら言われ、心を覆っていた虚しさが消えていく。