「つーか今メールしなよ」
「……はい? え、無理だしっ」
「 い い か ら 、 ユ ー ジ に 今 メ ー ル し て ?」
……いや、そんな一文字一文字がわかるようにゆっくり言わなくても聞こえてますけど……。
……ていうかフジヤマ、その笑顔怖いから。
まるで『ネットに写真ばら蒔くよ?』って言ってた時のYUKIみたい……。
「あのさ、俺って大人の男なんだよね。 つまり、サクラの携帯を無理矢理奪おうと思えば奪えちゃうくらいの力はあるわけだよ。 さぁさぁサクラちゃん、早く自分からメールを打った方が身のためだぞー?」
「……私が大声出したら、逮捕されるのは間違いなくフジヤマだよ?」
「大丈夫、声出せないように口を押さえつけるからっ」
……普通に犯罪じゃん。
まったくもう、この人は何を考えているのやら……。
「あ、つーか俺の方からユージにメールすりゃいいのか。 『サクラが夏休み中にまた会いたいってさー』とかなんとか言ってー」
「ちょっ、勝手にそんなこと言わないでよっ」
「よっしゃ送ろうっ」
「人の話聞いてっ」
と喋っている最中に、フジヤマは自分の携帯を取り出してメールを打ち始めた。
……ヤバいっ、フジヤマの携帯をなんとか奪わなきゃっ。