「……なんか今、真面目なフジヤマが見てみたいって思った」

「さっき見せただろ? ほら、真面目なフジヤマさん」

「いやいやいやっ、そのキリッとした顔は違うっ。 それは面白い顔っ」


「なんでだよ、超がつくほどの真面目顔だろ?」

「絶対違うっ」



なーんて言いながら、二人でけらけらと笑う。


……今日1日で、私はどれだけ笑っただろう?

チャットじゃなくて、現実でこんなに笑うなんていつ以来かな?

フジヤマと二人きりになるのは、不安がいっぱいだったけど……でも今は一緒に来てよかったって思ってる。



「ねぇフジヤマ」

「んー?」

「こっちこそ、ありがとね」



そう言った私に、フジヤマはきょとんとした顔を見せた。

だから私は、笑いながら言葉を続けていく。



「オフ会を企画してくれてありがとう、ってことだよ。 フジヤマがオフ会しようって言ってくれたから、私はみんなと会うことが出来たんだもん」

「あぁー、なるほど。 さすが俺っ」

「ふふっ……ほんと、さすがフジヤマだね」



馬鹿でアホなフジヤマが『オフ会しない?』って言った時は本当に驚いたけど、でも今は、そう言ってくれてよかったって思ってる。

じゃなきゃ私は、絶対にみんなに会えなかったから……。