「あっ、やべぇうっかり俺の年齢バラしちゃった。 つか、免許証見せた時に実はバレてた?」
「……え? あ、そっか……今23歳って言って……えぇっ、ちょっと待って23歳ッ!?」
「あれ、バレてなかった? うん、俺23歳だよ」
……嘘だっ。
どっからどう見ても、もっとオッサンじゃんっ……!!
「め、免許証もう1回見せてっ!!」
「いいけど、動いてる時に字を読むと酔わない?」
「……とーぜんっ、酔うっ!!」
と自信満々に言った私に、フジヤマは大笑い。
そしてそのあと、路肩に車を停めてから運転免許証を見せてくれた。
「ほら、ここが生年月日」
「……平成5年7月31日生まれ……。 うわー、ほんとに23歳だ……っていうか、誕生日もう過ぎちゃってるじゃんっ。 教えてくれていれば、今日プレゼント渡したのに……」
「マジでー? じゃ、今からキスのプレゼントをっ」
「それは却下っ」
即答する私に、フジヤマはまた笑う。
そんな彼を見ながら、私もクスッと小さく笑った。
「今のやり取り、すげーチャットっぽかったな」
「うん、同じこと思ってたっ」
「サクラさぁ、人見知りだって言ってたけど、全然チャットと変わらねぇじゃん」
「……それは、相手がフジヤマだからだよ」
「そっか? まぁ俺も、チャット仲間の前じゃなきゃこんな風には笑えないしな」
「そうなの?」
「うん、普段の俺は超がつくほどの真面目くんだから」
「……えー?」
真面目くん……って、かなり嘘臭い。
だってフジヤマはどんな時でもフジヤマっぽい感じだもん。