『あ、フジヤマがチャットに戻ってる』

「え? あ、ほんとだっ」



ユージに言われて『高校生ルーム8』を見ると、そこにフジヤマの言葉が書き込まれていた。



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 フジヤマ>悪い、今日は落ちるっ!!



 >>フジヤマさんが退室しました。


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え……コレ、戻ってきたっていうか、普通に落ちちゃってるんですが……。



「……YUKIとの電話、長引きそうなのかな?」

『ん……俺たちと違って、フジヤマは6年間ユキさんを待ってたからね。 きっと話したいことが山積みなんだと思う』

「そっか……そうだよね。 ずっとずっと、待ってたんだもんね……」



……私たちの知らない、6年間。

その間、フジヤマはたった一人でユキさんを待ち続けていたんだもんね。

いっぱいいっぱい、話したいことがあるに決まってる。



『じゃ、俺たちは俺たちで明日のこと話そうか』

「あ、うんっ」

『10時半すぎに、オフ会の日と同じ場所で待ち合わせ。 でオッケーだったよね?』


「オッケーですっ!!」



……明日は私とユージの誕生日。

ユージに渡す誕生日プレゼントは、もうずっと前に買っていた。


それを選んだのは、あの時一緒に居たYUKIだ。

……早くユージに渡したいなぁ。

喜んでくれたら、嬉しいな……。