『雪村さん、電話で言ってたよ。 二人の誕生日が1日違いで凄くビックリした、って。 サクラにこのことを言いたかったけど言えなかった、って。 あの時 黙っててごめん、って言ってたよ』
「……うん……。 でも、凄いね……フジヤマが6年間待ち続けていた人が、YUKIのお姉さんだったなんて……本当に本当に凄いね……」
『フジヤマが待ち続けていたからこそ、雪村さんは『YUKI』としてチャットしたんだよ。 フジヤマがあの場所に居なかったら、雪村さんも来なかった。 俺たちだって会ってなかったかもしれないよ』
「……うんっ……」
フジヤマが『高校生ルーム8』に居たからこそ、YUKIはYUKIとしてチャットした。
そして、その場所で私やユージも出会った。
……フジヤマが『オフ会しよう』って言ったからこそ、私たちはリアルでも会えた。
だからこそ、ユージと想いを伝え合うことも出来たんだ。
「……どうしよう、アホのフジヤマが格好よく思えてきた……」
『ん、俺も同じこと思ってた。 でも惚れちゃダメだよ?』
「ほ、惚れないよっ……そりゃ、友達としては好きだけどっ……」
『恋人として好きなのは、ちゃんと俺?』
「……俺さんだけ、デス」
『ふふっ…ありがと』
うぅ……なんかすっごく恥ずかしいことを言っちゃったような……。
ていうか、ユージの方がメチャメチャ恥ずかしいことを言った気がする。
よし、ユージの方が恥ずかしいこと言ってるから大丈夫っ!! ……って、なに考えてるんだか。
ハァ……深呼吸して、落ち着こう……。