それって、いったい……?
『……血を吐いて緊急入院した雪村の家族って、ユキなんじゃねぇかな?』
えっ……えぇっ!?
ユキさんが、YUKIの家族っ……!?
「そんなっ……だってYUKIはっ…雪村さんは、そんなこと手紙に書いてないよっ……!?」
『書けない理由があったんじゃない? 俺には“それ”がなんなのかは、わかんねぇけどさ』
「でもっ……それって、偶然なんじゃないの……? たまたま、同じ日になっただけで……」
『そうだな。 偶然だったらいいなって思うよ。 だってユキが雪村の家族だったら、血を吐いて緊急入院したのがユキってことになるだろ? 俺の知らないところでそんなことになってたなんて、思いたくもねぇよ』
「……うん……」
『でもさ、』
と、何かを言いかけたあと、フジヤマは言葉を止めた。
そして、一呼吸置いて……静かに静かに言葉を繋いだ。
『……多分、雪村とユキは家族なんだと思う』
「……」
『オフ会の日、アイツ帰り際に俺の写真を撮っただろ? 俺“だけ”の写真を、さ。 ……それって、あの場に来れなかったユキに見せようって思って撮ったんじゃねぇかな? 俺の素顔を、ユキに教えるために……』