「はい、もしもしー」
『あ、サクラ? わっかんねぇことが多いから電話したけど、今って暇?』
「もちろん暇ですっ。 ていうか、暇じゃなかったらチャットしてないよー」
『あははっ、それもそうだなっ』
電話の向こうで笑うフジヤマの声は明るい。
チャットでYUKIに問いかけてたフジヤマはちょっとだけ怖かったけど、今は全然平気だ。
……YUKIが本人だってわかったからかな?
なんだかいつも以上に楽しそうな声してる。
『んで、どう見てもあれは雪村だよな?』
「うん、間違いなくYUKIだよっ」
『つーかなに、アイツ18だったの? ガキじゃん、ガキっ』
「大人っぽいけど、まだ高校3年生なんだよねぇ。 『高校生ルーム8』で高校生じゃないのは、フジヤマだけだったね」
『おうよ、オッサン万歳っ』
そう言って笑うフジヤマの声に、私も笑う。
……ほんと、嬉しそうだなぁ。
ずっと待ってるユキさんとは いまだに会えてないけど、それでもフジヤマは、YUKIが戻ってきてくれたことがかなり嬉しいみたい。