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 フジヤマ>タイミングが良いというか悪いというか

 フジヤマ>俺もちょっとリアルが忙しいから、しばらくチャット無理だ

 フジヤマ>俺はそのうち戻るけど、今はごめん

 
 フジヤマ>んで即落ち、と。 じゃあまたなー


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……うそっ……フジヤマもチャットから離れるの……!?

待って、今チャット入るから……だからまだ落ちずに待って……!!



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 >>ユージさんが入室しました。

 >>サクラさんが入室しました。


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……ユージも同じタイミングで入ってきた。

うん、あんなこと言われたら当然だよ。

会えなくなる前に、ちゃんとフジヤマと言葉を交わしたい。


そう思うのは当たり前のことだ。

でも……遅かった。



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 >>フジヤマさんが退室しました。


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私とユージが入室する直前で、フジヤマは『高校生ルーム8』を出てしまっている。



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 サクラ>フジヤマ待って!!


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慌ててそう書いて送ったけれど、その後フジヤマが戻ってくることはなかった。



……今ここに残っているのは、私とユージだけ。

チャットルームは会話を楽しむ場所だけど、私たちはお互いに何も言わなかった。

ただただそこに居て、ただただYUKIとフジヤマのログを見つめるだけだった。