……私も同じ……。

携帯のメアドを交換してなかったことを、凄く後悔して……怖くて、不安で、苦しくて、心臓が押し潰されそうだった。


……あの時、チャットルームにユージの名前があって本当に嬉しかった。

ユージなら絶対に居る。 って信じてたから……涙が出そうなくらい、本当に本当に嬉しかったんだ。


でも、私は多分……チャットルームに居たのがユージじゃなくても、同じように嬉しかったと思う。

だってユージのこともフジヤマのこともYUKIのことも、みんな好きだから。


……ユージの『好き』と私の『好き』は、同じ発音でも別の物…だと思う。



『俺はこの先もずっとサクラと過ごしていきたいって思ってる。 欲を言えば、友達としてじゃなくて、恋人としてそばに居てもらいたい』



そう言ったあと、ユージは小さく息を吐き出した。



『……と、気持ちをぶっちゃけてみたわけですが。 突然過ぎて引いた?』

「え、あ……えっと……」

『あぁごめん、引くっていうよりは驚きの方が強いよね。 うん、自分でもビックリするくらい喋ったなって思ってる』



……ユージはクスクスと笑っているみたい。

ユージの声はさっきまでの真剣なものと違って、ただただ穏やかだった。



『急に好きなんて言ってごめんね。 でも本当に好きだから、それを知っててもらいたかったんだ』

「……ユージ、私……」

『いいよ、わかってる。 サクラは俺のことを友達以上には思ってないだろ? 大丈夫、いつか俺のことを本気で好きにさせるから。
……って、ヤバい恥ずかしい。 何 今の漫画みたいなセリフ。 うわー、俺かなりキモい。 ほんと俺死ねって気分なんだけど』



苦笑気味に笑ってるだろう、ユージの声。

……その声に、私は上手く言葉を返せなかった。