……え……?



「す、き……?」

『うん、好きだよ』



……それって、えっと……その……。



「……友達としての、好き……?」

『友達以上だよ』



間髪入れずに答えるユージ。


……友達以上の、好き。

ユージは、友達として以上に私のことを……?



『……リアルで会う前からずっとサクラが好きだった。 同じ県に住んでる1個下の女の子…ってことしか知らないのに、恋をしてたんだ』



恋。

ハッキリとそう言ったユージは、電話の向こうで微笑んでいるみたい。


……さっきよりも、もっともっと優しい声。

ユージの想いが乗った言葉ひとつひとつに、心があっためられていく。



『サクラが居たからだよ。 『高校生ルーム8』にサクラが居たから、俺はいつだって笑顔で過ごせていたんだ』



私が、居たから……。



『……YUKIに6年前の話を聞いてなかったら、俺はこの先 何も言わないまま過ごしていったと思う。 だって、チャットに行けばいつだってサクラが居たから。 いつだって会えるって、安心していたから』

「……」

『でも、今日メールが出来なくなった時……本当に本当に不安だったんだ。 なんでサブアドしか聞いてなかったんだろうって後悔しまくってた。 ……だからあの時、チャットでサクラと会えて本当に嬉しかったんだよ』