だって、ユキさんを真似ていた『女子大生のYUKI』はとっても素敵な人だもん。



「……YUKIのモデルはユキさん。 ユキさんが居たからこそ、YUKIはYUKIとしてチャットしてきたんだよね」



YUKIの手紙に書いてあった文字を指でなぞりながら、ポツリと言う。

……うん、言葉に出して言ったら、『ゆき』って言葉が大量で頭が痛くなってきた。


ほんとこれ、口に出して言うと混乱しちゃうね。

全部発音は一緒だもんなぁ……。



「……もしもYUKIとユキさんが同じ場所に居たら、名前を呼ぶと二人一緒に振り返るってことだよね。 ふふっ……なんか、楽しそう」



私、ユージ、フジヤマ、YUKI、そしてユキさん。

この5人がリアルで会ったら、絶対に楽しいと思う。

ユキさんが居れば、私は今度こそ女同士で楽しめるしね。

ファッションやメイクの話とか、いっぱい出来たら楽しいだろうなぁ。


……なんてことを思っていたら、すっかりチャットする手がお留守になっていた。

ふと画面を見たら、ユージが『サクラ居るかー?』と問いかけてきていた。

……しかもそれ、2分前っ。