「ところで、サクラってフジヤマの免許証見たんだよね?」

「え? あ、うん見たよー」

「フジヤマの誕生日教えてくれない?」



え、フジヤマの誕生日?

YUKIってフジヤマの年齢は知ってるけど、誕生日は知らなかったのかな?



「誕生日は聞いてないの?」

「うん、知ってるのは年齢だけ。 サクラとユージの誕生日は聞いたから、ついでにフジヤマのも聞いておこうと思ってさ」

「そっかぁ。 フジヤマはね、7月31日生まれだよっ」



と話した時、YUKIはとても驚いた顔をした。



「え、7月31日……って、マジで?」

「うん、マジです。 あ、そのストラップをあげる人と1日違いだねっ」

「……うん、ほんとだ。 そっか、1日違いか……」



ポツリと言いながら、YUKIは笑う。

その手には、7月30日と印されたストラップが握られていた。



「フジヤマは平成5年7月31日生まれ…か。 なんか、うん……凄いな……」

「YUKI? どうかした?」

「……いや、チャットで出会った俺たちみんな、夏生まれなんだなって思ってさ」


「あ、そっか。 そう言われると確かにそうかもっ」

「うん……ほんと、凄いと思うよ」



優しく静かに言ったYUKIは、7月31日と印されたストラップも手に取った。