「じゃあ早速ファミレスに行こっ」
「あ、ごめんちょっと待って。 お土産コーナー見てからでいい? レジもすっごく混んでるけど、やっぱり記念に何か欲しいし。 それに、家族にも買っていきたいんだ」
「うん、もちろんオッケーだよっ」
私は来ようと思えばいつでも来られる距離だけど、YUKIは違うもんね。
せっかく来たんだから、水族館っぽいお土産は絶対に買うべきっ。
「あ、そのストラップいいね、すっごく可愛いっ」
「うん、俺も同じこと思ってた」
そう言ったYUKIが手に持っているのは、ご当地キャラのついた可愛らしいストラップ。
それは『記念日ストラップ』というやつで、それぞれのストラップに日付が印されている。
「あれ? その日付…7月30日のを買うの? 今日の日付とか、誕生日とかじゃなくて?」
「あ、えっと……これを贈ろうって思ってる人の誕生日が、7月30日なんだ」
「そっかぁ、もしかして彼女さんへのプレゼント?」
「さぁ、どうだろうね?」
その言葉と共に、YUKIは肯定とも否定ともわからない曖昧な笑みを浮かべた。
うーん……どっちだろう?
YUKIってかなりモテそうだし、やっぱり彼女居るのかな?
いや、でも……彼女の居る人だったら、1日中チャットなんてしないよねぇ……。