「あぁそういえば昨日ユージからメール来て知ったんだけど、19日に二人で会うんだってね」
「あ、うんっ。 もうね、今から緊張してるよー……」
「サクラもユージも人見知りって言ってたから、無言が続くかも?」
「うー……ほんとそれ、心配すぎる……」
チャットと同じように話せたらいいなって思うけど、実際にユージが目の前に居たら、緊張で何も言えなくなるかも……。
「……せっかく誕生日に会うんだから、楽しく過ごしたいなって思ってるんだけどね……」
8月19日に私は16歳になって、ユージは17歳になる。
1年に1回しかない日を、一緒に笑って過ごしたい。
……って思ってるんだけど、不安で不安で仕方ないんだ。
「サクラ」
隣に居たYUKIが、ふっと小さく笑った。
「大丈夫、きっと楽しい日になるよ」
繋いでいた手に、少しだけ力が込められる。
「俺も今日サクラと会うまでは不安で不安で仕方がなかったよ。 でも、今は凄く楽しいって思ってる」
「あ……わ、私も……不安だったけど、でも今は、凄く楽しい……」
「うん。 きっとユージと会った時も、サクラは笑って過ごしているよ」
優しく言ったYUKIは、ゆっくりゆっくりと歩みを進めていく。
だから私も同じように、ゆっくりと隣を歩く。