私がユージへとメールしてる最中も、二人の会話はどんどん進んでいって。
今はもう、さっきとは違う話題で盛り上がっている。
……ほんっと二人、書くの早すぎっ。
「……でも、二人が変わらず居てくれてよかった。 ついでに、フジヤマも」
ユージもYUKIもフジヤマも、リアルで会ったあとも『高校生ルーム8』に来てくれた。
前と同じように、接してくれている。
……私もそう。
みんなとリアルで会って、みんなのことを知ったあともまた『高校生ルーム8』に来ている。
ここが私の居場所。
そして、ここに居るのは正真正銘 私の友達だ。
いつもと同じように笑ってるユージとYUKI。
さっき来たフジヤマも、いつもと全然変わらなかった。
だから私も変わらずに居られる。
『サクラ』として、この場所で笑うことが出来ている。
「……みんな、本当にありがとうね」
そう言葉に出しても、それは誰にも聞こえていないけど。
でも、それでもいいんだ。
私がただただお礼を言いたかっただけだから。
本当にありがとう。
そして……これからもよろしくね。
『高校生ルーム8』でも、メールでも、そして、リアルでも。
みんなが居てくれるから、私は私としてここに居られるんだ。
「……よしっ、二人に負けないくらいいっぱい喋るぞっ」
そう言いながら、キーボードで文字を打ち込んでいく。
くだらない話をしていても、それは私にとっては かけがえのない時間だ。
チャット仲間と話す時間。
友達と話す、大切な時間。
他の人が見れば、1日中 家に籠ってチャットしてるなんてキモチワルイって思うかもしれないけれど。
それでも私にとっては、大切なものなんだ。
「これからも、みんなとずっと笑い合えますようにっ」
一人きりの室内でそう言ったあと、私はまた微笑んだ。
チャットで話しているユージとYUKI、そして、車を運転してるだろうフジヤマを想いながら……──。