リアルでイヤなことがあっても、チャットすれば元気になれる。
馬鹿みたいなことを言って笑って過ごす場所に、性別なんて関係ないもんね。
【性別の件、りょーかいですっ(*>∇<)ノ】
そう書いたメールを送信したあと、再びパソコンへと視線を戻す。
ユージとYUKIは今、リアルで会ったフジヤマのことを話していた。
無精髭のオッサンだったとか、あの派手なシャツはビビったとか、フジヤマはフジヤマのままだった、などなど。
……私が見てきた今日1日のことがチャット画面に表示されているから、なんだか不思議な気分だ。
「……私たち、本当に今日会ったんだなぁ……」
二人が話してること、私は全部知っている。
全部、私自身が見てきた光景だ。
チャットで話すだけだった私たちが、リアルで会った。
……今更だけど、それって本当に凄いことだよね……。
普通なら絶対にあり得ない。
……勇気を出して会いに行って、本当によかったと思う。
「……絶対にまた、みんなで集まりたいな……」
ポツリとそう言った時、YUKIと話していたユージが、私へと話を振ってきた。