【送る相手を間違えてるな、って気付いてたよ。 だってフジヤマ、『キセ ユウジくんへ』って書いてたもん(笑)】



あぁ……そういえばさっき、フジヤマは口頭でも『キセ ユウジくんへ』って言ってたっけ。

その出だし、YUKIに送っちゃったメールにも書いてたんだ……。


……あれ?

じゃあYUKIは、間違いメールに気付いてたのに『会おう』って言ってきたってこと?



【間違いメールだってわかってたのに、YUKIはどうして私に会おうって言ってきたの? 今日会ったのに明後日も会うって、結構負担かかるよね……?】



そう書いて送ると、すぐにまたYUKIからメールが届いた。



【負担とかは全然気にしなくていいよ、俺が会いたいから行くだけだし。 ていうか、近いうちにまた会えないか聞くつもりだったから、ちょうどいいなーって思ってたんだよ。
 実はね、サクラに会って話したいことがあるんだ。 近くに居るだろうフジヤマには内緒にしといてね。】



……え、フジヤマには内緒…って、どういうことだろう?

フジヤマには知られたくないことを私に話す……ってことかな?


とりあえず……フジヤマにメールを覗かれないよう気をつけよう。

……と思いながらフジヤマを見たら、そっちはそっちで携帯で何か操作中だ。

多分メール…かな?


うん、これなら覗かれる心配はなさそうだ。