「もーっ、フジヤマの馬鹿っ。 絶対余計なこと書いて送ったでしょー……」

「いや、すげー真面目なこと言ったよ?」

「真面目って……それ、どんなこと……?」


「『キセ ユウジくんへ。 暇だったら8月19日にサクラと会って自分らの誕生日をお祝いしなさいな。 無敵のフジヤマさんより』」

「……え? なに、え……そう書いて送ったの……?」

「うん」



……ちょっと待って。

フジヤマ、なんで誕生日のこと知ってるの……?

8月19日は私とユージの誕生日……。


私、フジヤマに誕生日のこと言ってないよね?

もしかして、ユージから誕生日のこと聞いてたのかな……?



「あの、フジヤマ……」

「おっ、もう返事来た。 ほい、携帯返す」

「あ、うんっ……」



返ってきた携帯の画面を見つめ、来たばかりのメールを開く。

送ってきたのはもちろんユージだ。



【フジヤマへ。 なんで俺らの誕生日知ってるの? ていうかこれサクラの携帯だからサクラに向けて書いた方がいいかな。
 サクラへ。 19日に会うのは全然大丈夫だよ。 かなり暇だからね。】



……わっ、19日に会えるんだっ。

凄い……誕生日を、ユージと一緒に祝えるんだ……。


あれっ、でも……ユージも誕生日のことフジヤマに話してないみたい……だよね。

なのに、なんでフジヤマは知ってるの?