秘密を知られたまま人間として生きてしまえば泡になって消えてしまうから…。

それを知った若者は娘に「知っていたよ…」と言いました。

何故なら若者は10年前二人が出会った渚でまだ人間ではなかった娘を見かけていたからでした。

そしてその娘に恋い焦がれていたのでした。

そんな理由も若者は告げることなく"さよなら"のかわりに娘に口づけをしました。

娘は若者に答えるようにきれいな泪を流しました。

またいつかこの広い海のどこかで会えると信じて……