ーside遥香ー

輝先生からの許可もでて、3日ぶりの学校に向かった。

「「おはよう!」」

声をかけてきてくれたのは千尋と大翔。

「おはよう!」

それから、色んな所から「おはよう」の声が聞こえた。

やっぱり、学校っていいな。

憂鬱で仕方がない時もあるけ、やっぱり家で寝てるより普通に通えていることが嬉しい。

「遥香、担任の先生がこれ渡して欲しいって言われた。」

千尋から渡された物は、私が第一志望で考えているところの大学の資料だった。

「今日は担任、出張なんだって。だから、昨日遥香が来たら渡して欲しいって言われたの。」

「千尋、ありがとう。」

「いいえ。」

担任の先生は、私がここの大学に行くことを許可してくれたのかな?

「遥香、俺もそこの大学に受けることにした。」

「え!?」

「大翔だけじゃないよ。私も。」

「千尋も!?」

「うん!私、遥香のこと見てて分かったんだ。困ってる人の力になる仕事がしたいって。ずっと遥香の側にいて、気づいた。私のやりたい事は、これだって。」

「もしかして…」

「私も、医者になりたい。」

「千尋だけじゃないぞ。俺も、やっとやりたい事が見つかった。遥香のおかげで、目標ができた。遥香の頑張ってる姿を見て、背中押された。だから、俺も医者になろうって思った。」

私は言葉も出てこなかった。

「遥香、私も大翔も遥香が夢に向かって頑張ってる姿見て、背中押されたんだよ。だから、これからも3人で頑張っていこう!」

「幼なじみなんだからさ、同情してるとか思ってないよな?同情とかなんかじゃない。俺も千尋も、遥香のそばにいて分かったんだ…」

「大丈夫。分かってるから。ありがとう。」

「遥香。」

「頑張ろうぜ!」

幼なじみの存在が、すごく大きく思えた。

「千尋、大翔。私も決めたの。」

「「ん?」」

「お父さんのお墓参りに行ってこようって。」

「本当!?」

「うん。」

「遥香。勇気出したんだね。」

そう言って、千尋は私を抱きしめてくれた。
自分のことのように、嬉しそうででも心配していた。

「遥香、心折れそうになったら連絡していいからね。」

「大丈夫。私はもう平気だよ。」

「これも、尊先生のおかげ?」

「うん。」

「頑張ってきな。ちゃんと話したいこと話してくるんだよ。ちゃんと、心は通じるはずだから。」

「ありがとう、大翔。」

25日まであと3日。
明日は休みだからちゃんと心の準備をしないとね。

25日の終業式には出れないけど、きっと乗り越えて来てみせるから。

千尋や大翔が側で支えてくれている。
2人だけじゃない。
尊や梓さんもいてくれる。

私はもう1人じゃないから。