私はそこで改めて気づいた。

私たちは何を怖がっていたのだろうと。


宵妖退治師になる時点でそれぞれ最悪の場合は覚悟出来ていた。

だが、みんな大切な人を失うのが怖かったのだ。

でもその大切な人もまた、覚悟は出来ている。

これは私たちだけの運命だけだと思っていた。

しかしこれは、宵妖退治師全てに言えることだった。

きっと偉零君と李弥君も覚悟は出来ているはず。


私は心の中のもやもやしたものがスッと消えていくのを感じた。