「ねぇ美夜。昨日の村長の話だけどさ。」

「うん。」

「私昨日美夜たちと別れた後夏凪翔にきいたの。仮に誰かが犠牲にならなくちゃいけない状況になったとしたらどうする?って。」

「夏凪翔なんて?」

「即答で俺がなるって。でも私は止めた。私は美夜たちには悪いかもしれないけど夏凪翔だけは失いたくない。」


私はなんてわがままなことを言っているんだろうとおもった。


「うん。わかってる。」

「えっ?」

「私もね賢迅にきいたの。夏葉と同じように。そしたら賢迅なんて言ったと思う。」






俺は咲耶に会いたい気持ちもあるけどもう誰も失いたくない。守れないのは嫌なんだ!それに美夜だけは絶対に失いたくない。だから俺が犠牲になる。






「だって。」


私は賢迅らしいなと思った。


「夏葉。私も同じだよ。夏葉が夏凪翔が大事なように私にとってそれは賢迅なの。きっと夏凪翔も賢迅と同じことを言ったんでしょ?」

「うん。」


「「それでも私たちは決めなきゃいけない。」」


私と美夜の考えは同じだった。

きっと...誰を犠牲にするのかも。