白い光が眩しい機械の中に入る。
私は慣れた手つきで最初の設定をすると、早速撮影が始まった。


「いつも撮影してくれるのは人だから、なんか新鮮。難しいね」


そう言いつつ彼の写りはパーフェクトである。


カウントダウンの後に鳴るシャッター音。
次のシャッター音までのわずかな時間。


ふわりと後ろから熱を感じた。


振り返ると後ろから私を包み込むように抱きしめる澪君。
私の首に細くて綺麗な腕を回して、肩に顔をうずめる。



「俺たち、付き合ってるみたいだね」



ひそひそと耳元で囁かれる甘い言葉。



ファンサービス。



分かってるけど、よく分かってはいるんだけど、私の顔は真っ赤になって、その瞬間にシャッターが切られた。

ばくばくといつもの何倍も大きく鼓動する心臓。


澪君に気づかれていないだろうか。

私の体温が上がったのも、気づいてないといいな。