「うさぎが紘那ちゃんで、俺が猫だよね」



そう言いながら彼が差し出したのは猫のマスコット。



「あれ?これ猫だよ?」



疑問に思った私は澪君に聞く。


あぁと澪君は少し照れ臭そうに鼻の下をこすった。



「交換して持ちたいな、と」



そういって私の目の前で猫のマスコットをぶらぶら揺らす。




「僕、澪にゃ!可愛がってにゃー」




猫の喋り口調で「はいっ」と澪君は私に猫のマスコットを握らせた。

見れば見るほど澪君にそっくりで、ますます愛着が湧く。



「俺、これ仕事に行くときのカバンにつけよ。御守りがーわり!」



大事そうにうさぎのマスコットを見つめる澪君はなんだか幸せそうだった。



「わたしもこれ学校のカバンにつける。…ありがとう」



澪君は「お揃いいぇーい!」とピースをしていた。