「あ!見て!掴んだよ!!!」


4回目のクレーンは、お目当のマスコットをしっかりと掴んでいた。

きちんと出てくるまで油断はできない。

機械熱がじわりと熱く感じた。


私も澪君もじっと見守る。



こてん



小さな音を立ててマスコットは取り出し口に落ちた。



「ぃやったぁぁぉぁ」



嬉しそうに私に両手を見せる澪君。

私も喜ぶ澪君を見てると嬉しくなって、思い切りその両手に自分の両手のひらをぶつけた。


ハイタッチ


パァンと乾いた音がゲームセンターの音に負けじと響いた。


澪君はしゃがんで取り出し口からマスコットをとると、磁石でくっついていたうさぎと猫を離して2つのマスコットにした。