花見が舞台のお化け屋敷。
真っ暗で少しの明かりを頼りにして歩かなくちゃいけない。
それなのに彼はるんるん上機嫌で嬉しそうだ。
いつの間にか私の手まで引いて歩く。
これ、今だけ澪君のこと彼氏だと思ってもいいかな?
気味の悪い日本人形が並ぶ廊下。
ビビリの私は、少しの風にも「ひゃっ!」と驚いて変な声を出してしまう。
突然出てくるお化けに気絶寸前の私をなんとか繋ぎとめるのは、手のひらから伝わる澪君の体温。
ぐぁぁぁぁ!!!
「いやぁぁぁぁ!!!!」
私側から飛び出してきたお化けに、私は咄嗟に澪君に抱きつく始末。
なんというザマだ。
それにしてもなんで澪君はこんなに冷静でなにひとつ怖がらないんだろう。