さっきから大して時間も経っていないのに、澪君はすーすーと寝息を立てながら、私のベッドの上で丸まっていた。

閉じた目には綺麗に伸びる長い睫毛。
そのすぐ上には割れてしまった茶髪の前髪。
いつもの白くてきめ細やかな肌は、ここ最近の激務のせいか、心なしか少し荒れてしまっているように見えた。


いつもきっと、こうやってゆっくりする時間もないんだろうな…。


気を抜くと寝ちゃうくらい疲れているのに、私のために大事な時間を使ってくれてるんだ。

思えば思うほど申し訳ない気持ちが湧いてくる。でも、その一方でなんとなく嬉しいような気もするんだ。

澪君の寝顔は何度も雑誌で見たことがあるけれど、実際にこの目で見る本物の寝顔は、唸るほど可愛くて、愛おしかった。

私ははだけた毛布をそっと澪君に掛け直すと、ベッドに顎を乗せて、幸せそうに眠る澪君を見つめた。


少し、休憩。


私も彼につられて、夢の中へと落ちていった。