感動の再会を果たした私たちは、畳の床に座布団を敷いて座ると、会えない間にお互いにあったことを話し合った。
「もう少しでドラマがクランクアップするんだよ」
澪君は疲れた顔で笑った。
「お疲れさま。あれから人気がすごいね!よかったじゃん!」
私も少し、ぎこちなく笑う。
「まぁねー。でも、俺の1番のファンは紘那だから。本人公認だからね」
調子よくお腹を上下させて澪君も笑った。
『なんで澪君は紘那のこと、好きになったんだろうね』
あ、そうだ。
私は紗乃の言葉を思い出した。
ずっと聞きたかったこと。
やっと聞けるんだ。
「ねぇ」
あぐらをかいて座る澪君に、私は改めて向き直る。「ん?」と澪君は、少し眠そうな顔で私を見つめた。
「なんで私のこと、好きになったの?」
澪君は数秒、私を見つめたまま固まった。
そして、ふにゃりと柔らかく笑った。