「なにこれ、ちょー嬉しい」
予想外の言葉に、私は目を丸くした。
澪君は嬉しそうに目を細めて、幸せそうな顔をしている。
「こんなに俺のことが好きなファンがいたなんてね…紘那と出会う前の俺に教えてあげたいよ」
しんみりとした口調で澪君は言った。
それって、どういうことなんだろう。
「それにしても好きな人の部屋って、なんかこう、キュンとくるね」
気付いた時には私の体はすっぽりと澪君に覆われていた。
久しぶりに感じる澪君の体温に、私は幸せのあまり、泣きそうになった。
「寂しくさせてごめんね」
私を抱きしめる力が強くなる。
私は首を横に振ることしかできなかった。