12月24日は、学校の課外授業だった。
「明日は雪が降るでしょう。ホワイトクリスマスになりますね」と嬉々として話すお天気お姉さんと、それを聞いて「交通機関が心配ね」と不安そうな顔をするお母さん。
私は雪が降ろうが降るまいが、正直どうでもよかった。
どうせ明日は紗乃と過ごすんだ。
だって澪君は、私の誕生日も知らない。
クリスマスに仕事が無いわけない。
はぁ。
ついた吐息が視界を白く曇らせる。
吸い込んだ空気が、私の心をキンキンに冷やした。
長ったらしいだけで、下手くそで意味もない講義をぼんやりと聞き流す。
何度かうとうとしているうちに、いつのまにか授業終了のチャイムが鳴った。
先週よりもいっそうクリスマスムードが濃くなった駅が虚しかった。
どこかへ向かう家族連れや、デート真っ最中の恋人たちが羨ましかった。
私、本当にバカみたいだよなぁ。
だって、澪君の活躍を応援したいのに、これ以上有名にならないでって思ってしまう。
なんか発想が屑で、自分で自分が嫌になる。
付き合ってるんだからいいじゃん、別に。
誕生日もクリスマスも一緒に過ごせなくたって、心が繋がってるもん…多分。
