それからのあたしは忙しかった。

店がお休みの日は

電車で一つ隣の駅に行き

手頃なマンションを探した。

塁のためだった。

あたしがこれほど

誰かのために何かをしたい!

と思ったことはないだろう。

何の見返りも求めずに・・・

あたしの体は勝手に動いていた。

何かに動かされていた・・

という感じかもしれない。

少しでも塁の役にたちたかった。

塁の専門学校は三年間で厳しい。

実習やレポートがあり

勉強する時間と場所が必要だった。

学費のために

夜通し仕事だったから

寝る時間もろくにとれなかった。

それを提供しようと

思いついたのだ。

それが精一杯の

今のあたしにできることだった。