「え?あたし、ですか?」

「そう。君。」

どう見ても

人相がいいとは言えない

50代くらいのおじさんだ。

「い、家に帰ります。」

なんであたしが

こんなびびらなきゃいけないの?


しかもこの雨・・・最悪!!

そのおやじは

愛想笑いを浮かべて

あたしの前を通せんぼしてきた。


「約束、とかないんでしょ?」


とっさに嘘のつけないあたしは

「ええ、まあ」

といい加減に笑った。


「ねえ、ちょっとだけ時間ない?

この雨でね、困ってたんだよ。」