あの子は、麻耶はっていって

兄貴の彼女なんだ。

俺の中学からの同級生で

兄貴が大学に行ってから

付き合いはじめたんだ。

麻耶はずっと・・

兄貴にあこがれてたから。

俺にとっても憧れだったよ。

でも・・

兄貴は変わってしまったんだ。

そう言うと塁はポケットから

携帯灰皿を出した。

「ゴミは残さずに

持って帰らなきゃな!」

って茶目っ気たっぷりの顔を

してみせたけど・・・

ふっと小さなため息をついたのを

あたしは見逃さなかった。