真実はいつも

ちょっとした拍子に顔を出す。

あたし達は11月だというのに

寒さも感じないで

塁の足をいたわってデパートの

踊り場に腰をおろした。

場所を移すとこの空気が

変わってしまいそうだったから。


この時の私は本能だけで

動く動物のような感覚だった。


塁はタバコに火をつけて

話はじめた。


まるでそうしようと

最初から

決めていたみたいに・・・

ゆっくりゆっくり。