あたしの進行方向

至近距離。

つまり目の前に

夕方の街にミスマッチの

二人がいた。

二人共お世辞にもキリっとしない

よれよれのスーツで・・・


忘れられた子犬が

飼い主を待ってるような


そんな空気を

かもし出していた。


知らなければ

見過ごしてしまうくらい

そこだけが周りの景色から

抜け落ちていた。


タバコをふかすナオの後ろで

コンクリートの上に

無造作に座っているのは・・・

塁だった。