塁は、嬉しそうで

悲しそうだった。

いつもと変わらぬ様子だったけど

なんとなく・・・

「塁、辞めても遊びに来いよ~!

イベントとか二人で

来ればいいじゃん!」

事情を知ってる先輩たちが

席に来てくれた。

塁は、マイペースだから

売り上げとかを気にしない。

こんなに、お札が舞い飛ぶ中

変わらぬ価値観を持っている

その証拠に

いつも着ていた大きすぎるスーツは

お父さんの借り物で

最後までそれで通した塁は偉い。


流されないこと

それを知っていた。

流され続けるあたしを

しっかり防波堤になって

止めているのは・・・

間違いなく塁だった。