「…あの……な、何でしょう…か……」


ビクビクしながら大ちゃんの彼女を名乗る女が聞いてきた。
その全身に目を向け、悪態を吐くように話しかける。


「あんたってさぁ、先週確か言ってなかったっけ?自分には大ちゃんの彼女の役目なんてできないって」


私にそう言っておきながら、結局大ちゃんに連れ戻されてきたんだけど。


「私、てっきりあの後で別れたのかと思ってたんだけど?」


まさか今週も集まりに参加するなんて思わなかったよ。


「先週言ってたことって何だったの?ただの狂言だったワケ?」


バカにすんのもいい加減にしてよねと思う。
目の前にいる女は小首を傾げ、困った様に黙り込んでる。



「黙ってないで何とか言えばいいじゃない!」


強めの口調で訴えた。
タダでさえビクついてる女の肩が、キュッとネコの背のように縮まる。


学生時代からの繰り返しのようなカッコウ。
大ちゃんの彼女になった女達には、いろんな形で制裁を加えてきた。



「せ、先週は、その、ちょっと、いろいろあって、マイってて……」


辿々しい喋り方で話し始めた。
俯き加減で人の顔も見れない女の、一体どこが気に入ったんだか大ちゃんは。


「じ…自分に自信がなくって、そ、それは今も、か、変わらないんだけど……」


まどろっこしい喋り方をする女だ。聞いてる方がイライラしてくる。