桜吹雪。

晴れて高校生です!

千葉怜音!

なんかまだ月本って思っちゃう自分がいるけど、千葉っていい名前。

颯真と一緒に家を出る。

「緊張するなぁ」

「俺がいるから大丈夫っしょ?」

そうだよね。

実に心強い!!!

「うん!」

歩いて行ける距離にある高校。

敷地内に入ると……。

「きゃー!千葉くんよ!」

「颯真さまじゃん!」

悲鳴に近いような女の子の声が聞こえる。

「おはよう!千葉くん!」

口々に挨拶していく子たち。

イケメンだから人気あるんだね。

「おはよう」

ニコッとスマイルを送る。

でも、最近わかったけど。

颯真のニコッと顔は目が笑ってない。

心がこもってない。

だから颯真は愛想笑いの達人なんだなぁって思うの。

どう考えても、私といる時の笑い方の種類が違うんだもん。

私には面白がってるのに近い。

「きゃー!!」

嬉しそうにはしゃいでいる。

私は苦手だなぁ、こんな子。

すると、サッと私の手を握る颯真。

「怜音、行こ?」

すると今度こそ悲鳴が聞こえた。

「きゃー!颯真くんって彼女いたの!?」

私のことかな?