「あの~」

握られたままの手。

「なに?」

「手が……」

「手が何?」

颯真くんってイジワル!?

じっと見つめるその目...。

かっ、かっこいい!!

「俺に見惚れた?」

ええっ!?

「いい、いやちちがいます!!」

「ふぅん」

家でもしてなかったし、さっきの子にもしてないし...。

好青年でもクールでもない、意地悪な人なんじゃん!!!

「まぁお互いいいナンパ避けになるよねぇ」

行くよ、と言った颯真くんは私の手を引いて歩いていく。