「…じゃなくて、聞いてよ菜々ちゃん!
この小説のヒロインがね、最後に……__」
と、わたしは興奮して
ついつい熱弁してしまう。
「ね!すごいでしょ?感動するでしょ!?
聞いただけで涙出るよね……って
菜々ちゃん、全然泣いてない……?」
「……え、その結末って微妙じゃない?」
不意に菜々ちゃんは、眉を寄せて
うーん…と唸っている。
「え!?これほど最高な結末はないよ!?」
「えーそうかなぁ?全部読んでないから
あまり分からないけど…
私は違う結末の方が好きかもなー」
なんて言われ、
わたしはガクッと肩を落とす。